TECHNICAL  DATA

 

 

1.赤外線加熱の特徴

 最近、”遠赤外線パネルヒーターで芯から暖まる”とか ”備長炭の赤外線加熱で焼き鳥がおいしい”とかいう話が新聞、テレビでよく耳にするようになった。これらは赤外線の内部より加熱するという特徴生かしたよい例である。また、その性質上燃焼時にススとかが発生しない非常にクリーンな加熱でもある。こらからも赤外線の新しい応用はもっと広がり、より私たちの身近な物になるだろう。

 産業界においては、実に多彩な業界で赤外線を応用した加熱、乾燥処理がたくさん行われてきている。自動車、食品、印刷、塗装 電機、電子、樹脂加工、紙、建材、繊維業界等あげればきりがない。赤外線加熱は従来のハロゲンランプを使う近赤外線加熱から現在は中・遠赤外線加熱が主流となってきている。これらは中・遠赤外線が水分乾燥や塗装乾燥、樹脂・プラスティック加熱加工により効果的であるということからである。

   一般に、赤外線というのは可視光線より波長の長い、0.7μm〜1mmの範囲の電磁波を言  い、実際加熱に利用されるのは、1 μm〜80mmあたりの波長になる。1μm前後を近赤外線、2〜4μmを中赤外線、それ以上を遠赤外線領域とわけることがある。赤外線が放射されると、被加熱物において反射、吸収、透過という現象が発生し、この吸収された電磁波が被加熱物内で分子摩擦を誘発し、熱が発生して加熱というプロセスになるわけである。この時赤外線発生源  の放射率が被加熱物の吸収率と合致すると最大加熱効率が得られるわけで、効率的な加熱乾燥を  行うためには、被加熱物に最適な赤外線ヒーターを選択することが必要になってくる。

 


2.独、エルシュタイン社セラミックヒーター

  独、エルシュタイン社は1950年に赤外線セラミックヒーターの世界で唯一のメーカー として  創業開始し、その後自身のパテントとプロセスをさらに進化させ、その最新技術によって、今日  より高品質、高効率の製品を世に送り出している。国内外の他社によるコピー品が多数出回って  いることからも、その独創性、高信頼性、高品質が証明されている。エルスティン社はその草分  け的メーカーとして、豊富な経験から新たな用途や熱処理技術の開発にも積極的に取り組んでいる。

 

 

 前項で述べた、最適ヒーターの選択にエルシュタイン赤外線ヒーターは十分に応えることができる製品である。すなわちその適合波長範囲が2〜10μmと広く、放射率も黒体に近いので、非常に使いやすい赤外線ヒーターといえる。特に樹脂、水分、塗装乾燥には前項で述べた赤外線の吸収と透過バランスがよく、近赤外線のように過度に母材を加熱することがない。実際世界各国での多くの実績があり、信頼性も効率もハイスペックをキープしている。また、各種反射板や特殊コーティングの採用により、より高い照射効率を実現している。取り付けも簡単で、金具を差し込むだけでヒーターを固定でき、特殊な工具を必要としない

3.主な製品群

 主な製品群は、すでに第3世代と入っているが、金反射膜と特殊コーティングを使用した、超  高効率高温度のロッドタイプヒーターH LSと角形フラットタイプSHTSを筆頭に、スタンダ  ードタイプの角形フラットHTSシリーズ、ラウンドサーフェスタイプのFSRシリーズバル  ブソケットタイプのIOTシリーズなど、豊富なバリエーションがある。その他被加熱物の形状に合わせて設計されたカスタム品が数多くある。エルスティン赤外線ヒーターの特徴の一つにこのカスタム品の多彩さがある。特殊形状等いろんな要望にできるかぎり応えるというポリシーが生きている。  

(1)HLSロッドヒーター 

 

 HLSシリーズは、エルシュタイン社製セラミックヒーターとしては、シリーズ中最高峰 ロッドヒーターです。1分以内に1100℃まで温度上昇可能で、反射板として金膜反射板を使用していますので、照射効率は80ー90%以上、エネルギー密度は90KW/m2となっています。この他、125/250mmX25mm(600W)サイズのIRSシリーズ。ロングワイドサイズ(165/333mmX40mm)で薄型の(16mm)FSLシリーズもあ ります。また、管状加熱物の内部加熱用や、エッジ加熱、サウナ向けの垂直型ロッドヒーター、SMB、IRS/Kタイプもあります。

(2)角形SHTSスーパーヒーター

 SHTSスーパーヒーターは角形フラットタイプの最新機種です。通常約1.2分で900  ℃まで温度上昇可能で、金膜及び特殊ブラックコーティングと断熱構造により、70%以上の照射効率とエネルギー密度80KW/m2 を実現しています。最高1200W機種も加わりHTSシリーズとサイズコンパチブルで、取り付けも非常に簡単に取り付けられます。

(3)角形標準フラットヒーターHTSシリーズ

  HTSシリーズは、標準角形フラットヒーターで、約1.8〜3.2分で900℃まで温度   上昇可能です。特殊断熱構造で、エネルギー密度64KW/m2 を実現しました。     機種としては、250W、400W,600W,800W,1000Wまでシリーズ化されている。また、ロープライスタイプではHFSシリーズ、HLF/Sシリーズがあります。

(4)角形ラウンドサーフェスFSRシリーズ

  FSRシリーズは照射面がカーブしている角形標準ヒータ−で、昇温750℃まで約2. 4〜4.8分。エネルギー密度は64KW/m2 です。専用の反射板ケースあり併用することにより、10ー15%効率を上げています。取り付けも簡単で、ヒーターを大小組み合わせることで、均一温度を実現します。価格が手ごろなのも大きな特徴です。機種は、250W,400W,650W,1000Wとなっています。

(5)バルブ型ヒーターIOTシリーズ

  IOTヒーターはE27ソケット仕様で取り付け簡単、動物飼育や研究室で使用されてい  ます。そのほか IOP/KSSシリーズは、ボール型ヒーターで3D立体加熱対応機種です。またリングタイプや被加熱物専用に設計された形状のヒーターが多数あります。これらは測定器や、医療器等に活用されています。

 

3.使用方法

  これらの赤外線ヒーターエレメントは通常、複数個組み合わせて使用される。エルスティンではそれらをまとめる専用の取り付けパネルやマウンターを提供しており、簡単に赤外線ヒーターパネルを構築できる。BSH赤外線パネルヒーターはHTSエレメントを用いてこれを実現させるもので、組み合わせにより最大1000mmX1500mmのパネルを簡単に構成でき、エネルギー密度は38.4 KW/m2 となる。

  またさらに効率を上げるため、各種反射板も提供されており、これらを組み合わせることにより、最小電力で最大効率を導き出す。EBFはFSRエレメントやHTS/1エレメント用の、反射板付き取り付けボックスである。これらを用いて加熱する場合、ある程度の広い面積の加熱乾燥や、特殊形状の加熱乾燥、対面加熱乾燥などでは温度コントロールの併用が必要となる。このために各機種に熱電対付きの赤外線ヒーターエレメントがあり、これを普通のヒーターエレメントに混在して使用し、ゾーンごとに温度コントローラでフィードバックをかけ、温度制御を行う。

  被加熱乾燥物の材質や形状、加熱目的にもよるが、複数のゾーンにわけてよりきめ細かい温度制御を行うことにより、最適な加熱乾燥が可能となり加熱乾燥物の品質向上と時間短縮が実現できる。もちろんこれらの温度コントロールユニットも提供されている。

   一般にどのような制御を行うかというと、被加熱乾燥物の材質やその他諸条件によりいろんな方法があり、それらはたぶんに経験 によるところの要素が大きく、各社のノウハウとなっている。しかし上記のような多くの特徴を持つ使いやすいエルスティン社赤外線ヒーターを選択することにより、より早くこれらをクリアし要望を実現できる可能性が増すことになる。実際使用してみるとよくおわかり頂けると思う。   


3.塗装乾燥における赤外線の活用例

  塗装乾燥においての活用には赤外線は非常に有用である。単に表面からの乾燥ではなく、溶剤や水分を迅速に蒸発させ、塗膜の内部から乾燥させるので、張力の高い頑丈な塗膜を短時間で完成させることができる。この点でエルスティン赤外線ヒーターは立ち上がりが早く、エネルギー  密度も高いため、乾燥時間の短縮とともに、機器のコンパクト化、省スペース化をも実現させる。また、粉体塗装、各種ワニスやコーティング素材の乾燥にも威力を発揮する。小型の素材から大  型のものまで各種パネルヒーターを組み合わせることにより、自由に構築可能で、個々のニーズ に合わせた設計ができ、その有用性を十分に生かすことができる。